【プロが解説】ICT測量のメリット・デメリットとは?「起工測量が1週間から2時間」になる現場のリアル

建設・土木業界は現在、歴史的な転換期を迎えています。2024年4月から適用された時間外労働の上限規制(いわゆる「2024年問題」)に加え、熟練技術者の高齢化と深刻な人手不足は、業界全体にとって避けては通れない重大な課題です。

特に、私たちが拠点を置く北海道オホーツク地方のような広大な面積を有する地域においては、生産年齢人口の減少がインフラ維持の死活問題に直結します。従来の「気合いと根性」や「人海戦術」に頼った施工体制のままでは、遠くない未来に地域の道路や河川を守り切ることができなくなることは火を見るより明らかです。

こうした背景から、国土交通省も建設現場の生産性向上を目的とした取り組み「i-Construction(アイ・コンストラクション)」を強く推進しており、公共工事を中心に「ICT測量」の導入が急速に拡大しています。

本記事では、北海道オホーツク地方でいち早くICT(情報通信技術)を導入し、次世代型の土木インフラ整備を展開する株式会社ディ・エス・ジーが、ICT測量の基礎知識から具体的なメリット・デメリットまでをプロの視点で徹底解説します。

なお、解説にあたり、弊社の企業活動の根幹である以下の【3つのコアバリュー(ディ・エス・ジー トライアングル)】を軸に、現場のリアルな実態をお伝えします。

  • D:納期(Delivery)…… 最新技術で圧倒的なスピードと確実な工期を実現する
  • S:安全(Safety)…… 危険を排除し、現場で働くすべての人の命を守る
  • G:誠実(Genuine)…… 顧客にも社員にも、誤魔化しなく真っ直ぐに向き合う

一般的なベンダーサイトにあるような教科書通りの解説にとどまらず、「起工測量が1週間から2時間へと激減した事例」や、「現場の社員たちが抱いた生々しい戸惑い」など、自社で実際に運用しているからこそ語れる事実を包み隠さず公開します。発注者様はもちろん、最新技術に興味を持つ求職者の方もぜひ最後までご覧ください。

目次

ICT測量とは?従来のアナログ測量との決定的な違い

ICT測量とは、ドローン(UAV)による上空からの写真測量や、地上に設置する3Dレーザースキャナなどの最新機器を用いて、現場の地形を3次元(3D)データとして高精度に取得する最新の測量技術のことです。

この技術の最大のメリットを直感的に理解するためには、まず「従来の測量」との決定的なプロセスの違いを知る必要があります。以下の表をご覧ください。

【従来のアナログ測量とICT測量の比較】

比較項目従来のアナログ測量ICT測量(弊社の実績)
作業手法人が歩いて「点」を計測ドローン等で上空から「面」を計測
使用機材レベル、トランシット、見出し杭ドローン、3Dレーザースキャナ
記録方法野帳(手書き)から2D図面化PCでの点群処理(3Dデータ化)
起工測量の時間約1週間(※現場規模による)約1〜2時間
安全性危険箇所への直接の立ち入りが必要遠隔操作のため立ち入り不要

従来の土木現場における測量では、複数の技術者がレベルやトランシットといった重い測量機器を担いで、足場の悪い広大な現場を歩き回る必要がありました。基準となる中心を出し、見出し杭を一本一本、手作業で打ち込みながら90度方向に高さを取っていく。そして、計測した数値を野帳(測量野帳)に手書きで記録し、後から事務所に戻って図面に落とし込むという、途方もない時間と労力がかかる泥臭い作業です。

何十年もの間、現場の最前線で雨の日も風の日もインフラを支え続けてきた職人たちの技術と忍耐力には、最大の敬意を払うべきです。しかし、従来の手法が「点」を一つずつ拾い集めるアナログな作業であるのに対し、ICT測量は現場全体を一瞬にして「面」のデータとして丸ごと取得するデジタルな作業といえます。

この「点から面への進化」により、土木現場の常識は劇的に変化しました。次章では、具体的な3つのメリットを深掘りします。

ICT測量を導入する3つのメリット【ディ・エス・ジーの実績】

ICT測量を導入するメリットは多岐にわたりますが、弊社のコアバリューである「納期」「安全」「誠実(労働環境の改善)」に直結する3つの大きな成果があります。

メリット①:圧倒的な作業時間の短縮(Delivery)

ICT測量における最大のメリットは、何と言っても作業時間の劇的な短縮です。ドローンや3Dスキャナを使えば、人が何日もかけて歩き回る範囲の地形データを、わずか数十分のフライトやスキャンで一気に取得できます。

【ディ・エス・ジーの現場のリアル】

弊社の実績として、最も顕著な変化が現れたのが、工事を始める前の現況を把握する「起工測量」です。

従来の一例として、作業員が現場を歩き回って中心の杭を打ち、高さを取っていく地道な起工測量には、丸々1週間の時間を要していました。しかし現在では、ドローンで現場を空撮した後、専用ソフトウェアで「画像処理」と「点群処理(何百万もの点の集まりとして地形を3次元データ化する技術)」を行うことで、従来と同等、あるいはそれ以上の緻密な情報をPC上で取得できるようになったのです。 その結果、1週間かかっていた測量作業が、わずか「1〜2時間」で完了するようになっています。この圧倒的な効率化は、お客様への確実な納期(Delivery)の遵守と、急なトラブルへの迅速な即応力に直結しました。

メリット②:高精度な3Dデータ取得と安全性の向上(Safety)

人が直接立ち入ることが困難な危険箇所(急勾配の法面、崩落の危険がある場所、重機が頻繁に行き交うエリアなど)でも、上空からの空撮や離れた場所からのレーザー照射により、安全かつ高精度にデータを取得できる点も極めて重要なメリットです。

【ディ・エス・ジーの現場のリアル】

私たちが拠点を置く北海道オホーツク地方は、雄大な自然に恵まれている反面、足場の悪い現場や天候が急変する過酷な環境も少なくありません。そうした環境下において、作業員が危険な場所に立ち入る時間を最小限に抑え、転落や重機との接触といった労働災害のリスクを排除することは、企業としての最重要課題です。ミリ・センチ単位の精度で現況を把握できるICT測量は、単に施工の品質を高めるだけでなく、現場で働くすべての社員の命を守る絶対的な安全(Safety)を確実なものにしています。そもそもこうしたエリアへの立ち入りには各種法令による制限があるものですが、従来から弊社で行っていた厳格なリスク排除の施策が、完璧といえるレベルにまで強固なものとなりました。

メリット③:人手不足の解消と労働環境の改善(Genuine)

面的なデータ取得が可能になることで、従来は数人がかりで行っていた測量を1〜2人の少人数で完結させることができます。また、重い機材を運んで山野を歩き回る身体的な負担も大幅に軽減されます。

【ディ・エス・ジーの現場のリアル】

株式会社ディ・エス・ジーでは、ICT技術によって生み出された「時間の余裕」を、単に会社の利益アップや別の現場の詰め込みには使いません。測量作業が圧倒的に短縮された結果、株式会社ディ・エス・ジーでは月平均残業時間「約5時間」という、建設業界の常識を覆す数字を実現しています。効率化の恩恵をしっかりと社員に還元し、理不尽なストレスなく健康的に長く働ける環境を作ること。これこそが、社員に対する弊社の誠実さ(Genuine)の証明です。

綺麗事だけではない。ICT測量のデメリットと「現場のホンネ」

ここまでICT測量の華々しいメリットを述べてきましたが、決して魔法の杖ではありません。導入にあたっては、綺麗事では済まされない明確なデメリットや「乗り越えるべき壁」が存在します。

まず挙げられるのが、「初期費用の高さ」と「専門スキルの習得ハードル」です。

高額な産業用ドローンや3Dレーザースキャナ、そして膨大な点群データを処理・解析するためのハイスペックなPCと専用ソフトウェアを揃えるには、多額の設備投資が必要です。また、それらを使いこなし、エラーのない正確な3Dモデルを構築できるデジタル人材を育成するには、一定の時間と根気が求められます。

さらに、株式会社ディ・エス・ジーが導入初期に直面したのが、現場の生々しい戸惑いでした。

新しい技術を導入する際に現場の職人たちから猛反発を受けるというのはよく聞くことですが、弊社の場合、最初の反応は「猛反発」ではなく「無関心」でした。あまりピンと来ていなかったのかもしれません。しかし、実際にドローンが飛び、事務所のPCで点群処理による解析が稼働し始めると状況は一変します。これまで何日も泥臭く汗を流して終わらせていた作業が、いとも簡単に瞬時に終わってしまうのです。

毎日真面目に現場に向き合い、野帳を真っ黒にしてきたベテランの社員たちほど、「ドローンに取って代わられて、俺たちの仕事(作業時間)が減ってしまった」と、強い戸惑いとネガティブな危機感を覚えていたように思います。

しかし、弊社はここで「ICTは人の仕事を奪うものではない」ことを繰り返し説明し、社内の意識改革に努めました。

作業時間が減ったことは、決して彼らの価値が下がったことを意味しません。むしろ、過酷な労働(時間的・体力的な無理)から社員を守るための、会社としての対応のひとつでもあります。

現在では、ICTによって空いた時間を、「より高度なデータ解析」や「現場の安全管理」、そして「新入社員への技術継承」に充てています。特定の個人の「無理」や「属人的な頑張り」に依存するのではなく、データという客観的な事実に基づいて、誰もが適正に働ける自走型の強い組織へと進化を進めています。

測量だけで終わらせない「一社完結型フロー」の絶対的な価値

ICT測量単体でも大きなメリットがありますが、その真価が真に発揮されるのは、取得した高精度な3Dデータを「次の工程」へシームレスに繋げた時です。

株式会社ディ・エス・ジーの絶対的な強みは、測量して終わりではなく、取得した3D点群データを基に設計データを作成し、それを「ICT建機(マシンコントロール対応のショベルカーやブルドーザー等)による施工」、そして最終的な「電子納品(BIM/CIM対応)」まで連携させる、『The Digital-Physical Loop(デジタルとフィジカルの循環)』を自社内で完全に完結できる点にあります。

多くの企業では、測量は測量会社、施工は土木会社と分業されていますが、外注を挟むことでデータ形式の違いによる連携ミスや、待ち時間によるタイムロスが発生しがちです。しかし、株式会社ディ・エス・ジーは一連のフローを一社で完結できるため、伝達漏れやタイムロスが一切発生しません。

これにより、どんなに難易度の高い案件やタイトなスケジュールの現場であっても、お客様に「最高品質のインフラ」を「確実な納期」でお届けすることができるのです。

まとめ

本記事では、ICT測量の基礎知識からメリット・デメリット、そして北海道オホーツク地方における株式会社ディ・エス・ジーのリアルな導入事例までを解説しました。

  • 作業時間の圧倒的な短縮(起工測量が1週間から1〜2時間へ劇的変化)
  • ミリ単位の高精度データ取得と、作業員の絶対的な安全確保
  • 残業月平均約5時間という、労働環境の劇的な改善と社員の保護

ICT測量は、建設業界の未来を切り拓く必須の技術です。しかし、高額な機材を買えば終わるものではありません。現場の戸惑いや反発にしっかりと寄り添い、取得したデータを実際の施工まで連携させ切る「泥臭い運用力」があって初めて、真の価値を生み出します。

株式会社ディ・エス・ジーは、ICT技術を完全に使いこなし、【D:納期】【S:安全】【G:誠実】のすべてを高い次元で満たすオホーツクのインフラ企業です。「他社では難しいと言われた」「短工期で確実な施工をお願いしたい」といったお悩みを持つ発注者様は、ぜひ弊社が誇る圧倒的な調整力と一社完結のICT施工にお任せください。

また、弊社では、理不尽な残業や心身のストレスがなく、若手が最先端のICT技術に触れながら現場の主役になれる環境を用意しています。「オホーツクの地で、誇りを持てる次世代の土木の仕事がしたい」という方は、ぜひ採用情報ページをご覧ください。

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