測量の残業は少なくなったのか?全国・北海道の平均時間と、ICT導入が生む「定時退社」のリアル

建設・土木業界への就職や転職を考える際、多くの求職者が最も気にするのが「残業時間」ではないでしょうか。「測量の仕事は激務だ」「求人票の『残業少なめ』は信用できない」といった不安の声も少なくありません。特に、未経験から業界に飛び込もうとしている方にとって、労働環境のリアルな実態は、自身のキャリアや生活を左右する非常に重要な判断基準となります。

本記事では、北海道オホーツク地方で測量からICT施工までを一貫して手がける株式会社ディ・エス・ジーが、公的なデータに基づく土木・測量業界の「残業のリアル」と、今後の見通しについてプロの視点で徹底解説します。

全国的な傾向と比較しながら、弊社がいかにして「月平均約5時間」という圧倒的な低残業を実現しているのか、その根拠となる最新のICT技術の導入実績や、独自の施工体制(The Digital-Physical Loop)のカラクリを交えてお伝えします。

目次

測量・土木業界における残業のリアル(公的データと背景)

「測量は残業が多い」というイメージは、果たして真実なのでしょうか。まずは、客観的な行政データと業界が抱える歴史的な背景から、その実態を紐解いていきます。

建設業に突きつけられた「時間外労働の上限規制」

長年、長時間労働が常態化していた建設・土木業界ですが、現在は国を挙げての働き方改革が急務となっています。その象徴とも言えるのが、メディアでも大きく取り上げられている「2024年問題」です。

2024年4月1日以降、建設事業においても時間外労働の上限規制が適用されました。厚生労働省の規定により、時間外労働の上限は原則として「月45時間・年360時間」となり、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。

このように、法的にも残業規制は極めて厳格化されました。しかし、法令が変わったからといって、現場の作業量が急に減るわけではありません。とりわけ、インフラ整備の需要に対して人手不足が深刻化している地方部では、一人あたりの業務負担はむしろ増大傾向にあるのが、業界の偽らざるリアルです。

参考:厚生労働省「事業者向け:建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています」

データで見る建設業の残業実態(全国・北海道比較)

では、実際の残業時間はどのようになっているのでしょうか。以下の表は、厚生労働省および北海道庁の公的データをもとに、全産業と建設業の残業時間を比較したものです。

比較表:建設業の残業時間(全国・北海道/雇用形態別)

地域・雇用形態全産業 平均残業時間/月建設業 平均残業時間/月
全国平均(全体)約10.0時間約14.5時間
├ 一般労働者(正社員等)約13.8時間約16.5時間
└ パートタイム(非正規)約2.5時間約3.0時間
北海道平均(全体)約9.5時間約15.0時間
├ 一般労働者(正社員等)約13.0時間約17.0時間 ※注1
└ パートタイム(非正規)約2.3時間約3.2時間
株式会社ディ・エス・ジー約5.0時間(正社員)

※注1:北海道の建設業は積雪寒冷地特有の「工期の集中(春〜秋)」があるため、全国平均よりも正社員の残業時間が高止まりしやすい傾向にあります。

【データの出典・引用元】

この表から読み取れる通り、建設業の正社員の残業時間は全産業平均を大きく上回っています。特に弊社が拠点を置く北海道においては、冬期の積雪を避けて春から秋に工事が集中するため、特定の時期に業務が一点に集中する「繁忙期」の残業時間増加が、地域特有の根深い課題となっています。あくまで「年間平均」で17時間であるため、繁忙期単体で見ればこの数倍の残業が発生している企業も少なくありません。

その中で、株式会社ディ・エス・ジーの「正社員で月平均約5時間」という数字がいかに特異で、労働環境として恵まれているかがお分かりいただけるかと思います。

なぜ測量の現場は長時間労働になりやすいのか?

では、なぜ土木工事の中でも、とりわけ「測量」に関わる業務が長時間労働の温床になりやすいのでしょうか。それは、従来のアナログ手法が抱える「構造的な非効率さ」に起因しています。ICTが普及する前の業界全体が抱えていた過酷な実態は、主に以下の3点に集約されます。

  • 過酷な外業(現場での計測作業): 重い測量機材(レベルやトランシット等)を担ぎ、足場の悪い山林や河川敷を歩き回って、手作業で一つひとつ高さを測る作業。これには膨大な時間と大幅な体力の消耗が伴います。
  • 終わらない内業(データ処理): 現場から戻った後、泥まみれになった「野帳(測量野帳)」に手書きした数値を、事務所のPCソフトへ手作業で打ち込む果てしない事務作業。日中の現場作業で疲弊した体で、深夜まで数字と向き合う必要がありました。
  • 手作業のバケツリレーとヒューマンエラー: 手入力した数値から、2DCADを用いて人間が手作業で図面を引き、さらにExcelを開いて土量などの数量計算を行うというアナログなリレー作業。この過程で入力ミスや計算違いが発生すれば、すべての工程をやり直す「手戻り」が発生し、残業時間は青天井に膨れ上がっていきます。

当時の業界では、休日返上の連日稼働が当たり前とされ、過酷な時期には法定上限ギリギリの「月80時間の残業」や「週7日フル稼働」に追われる技術者も決して珍しくありませんでした。気合いと根性で納期を死守する姿勢は尊いものですが、それは同時に「社員の私生活と健康を犠牲にして成り立つ危うい労働環境」でもあったのです。

ICT導入で残業はどう変わったか?ディ・エス・ジーの「Before/After」

気合いと根性に過度に依存した労働環境は、技術者の心身を削り、結果として業界全体の深刻な人材離れを引き起こします。株式会社ディ・エス・ジーは、この「悪しき常識」を根本から断ち切るため、いち早くドローンや3Dレーザースキャナを用いた「ICT施工」へと舵を切りました。

【比較表】1週間の作業が2日に。労働環境の劇的変化

真の「残業削減」の鍵を握っているのは、現場作業(外業)のスピードアップだけではありません。現場から戻った後の「内業(事務所作業)」の完全なデジタル化こそが、労働時間を劇的に短縮する最大のブレイクスルーとなります。

アナログな手法から弊社のICT施工へ移行したことによる劇的な変化を、以下の表にまとめました。

比較項目導入前(アナログ手法の業界常識)導入後(弊社のICT施工)
外業(現場計測)基準杭の打設から計測完了まで約1週間ドローン・3Dスキャナで約1〜2時間
内業(データ処理)野帳の手入力・2DCAD・Excel手計算専用ソフトでの写真解析・3D点群処理
内業の所要時間深夜に及ぶ手作業の図面作成が連日続く約2日間で高精度な3Dデータ構築が完了
繁忙期の残業時間月80時間に迫る過酷な労働環境月平均 約5時間へと劇的に削減

手入力や手計算を排除し、物理的な作業時間が極限まで削減されたこと。これが、先ほどの表でもお見せした、弊社の「月平均残業時間約5時間」という数字の最大のカラクリです。

「ごまかしが効かない」3次元データがもたらす技術の証明

ただし、ここでひとつ重要な事実をお伝えしておきます。「最新のICTソフトを導入すれば、どんな作業でも無条件にボタン一つで早くなる」というわけではありません。

現在、弊社が内業で取り扱っているのは、レーザースキャナや写真測量によって取得された数億個の点の集合体である「3D点群データ」です。現実世界をそのままPC上に取り込んだ「デジタルツイン(デジタルの双子)」とも呼ばれるこのデータは、圧倒的な高精度を誇る反面、ごまかしが一切効かないというシビアな特性を持っています。

2Dの図面であれば、人間が線を引いて辻褄を合わせる(ごまかす)ことも物理的には可能でしたが、3Dデータでは座標や高さのわずかなズレが即座に矛盾として露呈します。そのため、お客様から細かな追加要望や複雑な土量解析を求められた場合、要求水準を満たすために緻密なノイズ除去やデータ結合を行い、時には通常より時間をかけて作業を行うこともあります。

しかし、この「ごまかしのない緻密なデータ」の構築から逃げないことこそが、後工程での致命的なエラーや大規模な手戻りを完全に防ぎます。結果として、プロジェクト全体のマクロな視点で見れば、確実な(【D:Delivery】納期)を守り抜くという弊社の強い競争力に繋がっているのです。

The Digital-Physical Loopがもたらす「D:納期」の確実性

さらに、株式会社ディ・エス・ジーの絶対的な強みは、取得した3Dデータを自社内で一元管理している点にあります。弊社は、ドローンによる起工測量から、3D設計データの作成、ICT建機(マシンコントロール対応重機)を用いた実際の施工、そして最終的なBIM/CIM対応の電子納品までを自社のみで完結させる「The Digital-Physical Loop(一社完結型フロー)」を確立しています。

測量会社、設計会社、施工会社が別々に分かれている従来のリレー体制では、「設計会社から上がってきたデータ形式が施工会社のシステムで読み込めない」「現場の状況が変わったため、外注先に図面の再作成を依頼して数日待たされる」といった連携ミスやタイムロスが頻発し、それが結果的に現場技術者の残業を生んでいました。

弊社はすべての工程を自社内でシームレスに連携させることで、外注との摩擦や待ち時間を物理的に消滅させています。自社で完結できるからこそ、スケジュールを完全にコントロールでき、残業に頼らない働き方が実現できるのです。

空いた時間をどう使うか?「S:安全」と社員への還元

業務のデジタル化によって残業が減り、作業時間が短縮されたとき、その「浮いた時間」を企業がどう扱うかによって、その会社の本質(社員へのスタンス)が見えてきます。

削減された「ゆとりの時間」の3つの使い道

残業が当たり前だった時代、現場の技術者は常に納期に追われ、切羽詰まった状態で業務にあたっていました。しかし現在、弊社の社内では、ICTによって生み出された「ゆとりの時間」を以下のように有効活用しています。

  1. データの二重チェック(確かめの時間): 土木現場における焦りは、重大なヒューマンエラーや取り返しのつかない事故に直結します。残業が減ったことで、業務時間内に十分な「確認時間」を確保できるようになり、【S:Safety(安全)】と納品物の品質を最高レベルに保つことができています。
  2. 次案件の入念な事前準備: 目の前の終わらない作業に追われるのではなく、常に「次の現場」を見据えたシミュレーションや段取りを行うことで、現場での施工を滞りなくスムーズに進行させます。
  3. 心身のリフレッシュとコミュニケーション: 常に張り詰めた空気ではなく、業務の合間に雑談を交えて適度にリフレッシュし、質問や相談がしやすい心理的安全性の高い職場環境を維持しています。

利益だけでなく、社員の生活水準向上へ(G:誠実)

効率化によって空いた時間に、経営側が無理に新しい案件を次々と詰め込み、会社の利益だけを際限なく追求するということはいたしません。株式会社ディ・エス・ジーは、「利益は目的ではなく、社員の生活や地域社会を守るための手段である」と考えています。

定時で退社し、家族との団らんの時間や、プライベートな趣味の時間を思い切り楽しむ。建設業界ではまだまだ珍しい「年間休日107日」という適正な休息を確保し、心身ともに健康な状態で誇りを持って仕事に向き合う。これこそが、弊社が掲げるコア・トライアングルのひとつ、【G:Genuine(誠実)】の体現です。今いる社員と、これから入社してくる未来の若手技術者を守り抜くことは、持続可能なオホーツクのインフラ整備へと直結する、最も重要な経営スタンスなのです。

測量業界の残業問題、今後の見通しは?

最後に、これから業界を目指す未経験の方や転職希望者へ向けて、測量・土木業界における今後の見通しと、企業選びのアドバイスをお伝えします。

二極化する土木業界と企業選びのポイント

前述の「2024年問題」により、残業規制は法的に厳格化されました。しかし、本質的な業務フローの改善(ICTへの投資)を行わず、単に「残業をするな」「早く帰れ」と現場に押し付けるだけの企業は、早晩行き詰まることになります。

今後、この業界は「ICT投資により労働環境の抜本的な改善に成功した企業」と、「アナログな手法から抜け出せず、一人あたりの負担と疲弊が増加し続ける企業」の二極化がさらに加速することでしょう。

求職者が企業選びで失敗しないためには、求人票の「残業少なめ」という表面的な言葉だけを信じるのではなく、以下のポイントを必ず確認してください。

  • 残業が少ない「明確な根拠」があるか: ドローンや3Dレーザースキャナ、高精度な解析ソフトなどのICT設備投資を実際に行い、それを運用できる体制があるか。
  • 自社内で業務を完結できる体制があるか: 外注頼みで無駄な待ち時間が発生していないか。The Digital-Physical Loopのような一貫体制を持っているか。
  • 社員への還元姿勢があるか: 効率化によって浮いた時間を、さらなるノルマの押し付けではなく、現場の安全性向上や社員の休日に還元しているか。

これらの客観的な事実(ファクト)を面接等でしっかりと見極めることこそが、ご自身のキャリアとプライベートを守り、「入社後にこんなはずじゃなかった」という後悔を防ぐための最大の自衛策となるはずです。

まとめ

本記事では、測量・土木業界の残業の実態と、ICT導入がもたらす労働環境の変化について解説しました。ポイントは以下の通りです。

  • 厚生労働省のデータが示す通り、積雪寒冷地である北海道の建設業は依然として残業のハードルが高い傾向にある。
  • 一方で、弊社はICT化により、1週間かかっていた内業を2日間に短縮し、正社員でも月平均残業「約5時間」を実現している。
  • 3Dデータは「ごまかしが効かない」ため緻密な作業を要するが、自社完結型フローによってトータルの工期短縮と高品質を両立している。
  • 弊社で削減された残業時間は、確実な安全確認(S)と、社員の生活水準の向上・誠実な労働環境(G)に還元されている。

測量の残業は、企業の「技術力」と「経営姿勢」によって劇的に変わります。

株式会社ディ・エス・ジーは、北海道オホーツク地方において、最先端のICT技術を駆使し、属人化に依存しない自走型の強い組織づくりを進めています。

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